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ERPと財務会計

財務会計とは

財務会計とは日々発生する取引について、法律や規則・会計基準・会計原則・会計公準などといったルールに基づきながら集計・計算を行い、定められた決算関連書類を作成するものです。「制度会計」とも呼ばれており、企業の規模や機関設計などの属性に応じて情報を開示する相手先が変わることから準拠するルールや目的が異なっています。特にいわゆる上場企業では上場していない中小企業と比較して、より厳格な基準やルールに基づき決算書・申告書の作成を行い、情報を開示することが求められます。

財務会計の目的

財務会計は企業の規模や上場しているかどうかによって異なりますが、財務会計における主な目的は利害関係者に対して適切な情報を開示することです。特に株主や債権者は企業を維持・拡大していくために必要不可欠な資金提供者であることから、資金の回収可能性やリターン(配当)などについての情報を適切に開示することで期待と信頼を獲得し、更なる資金調達へと繋げていくことができます。上場会社であればこの情報開示については厳格なルールに基づいて行う必要があり、会計監査なども行わなければいけません。

管理会計との違い

財務会計が対外的な情報提供を主な目的としていることに対し、経営者の意思決定を行うための判断材料として社内で用いるものを「管理会計」といいます。財務会計においては定められた共通のルールに基づいて処理・集計されることが一般的ですが、管理会計は会社ごとに任意の基準を設定されることが多くなっています。売上の細分化や部門別・事業別での損益管理など、経営陣が経営判断を行うためにはどういった情報が必要なのかを踏まえて集計方法やルールの設定が行われます。

財務会計の業務

財務会計は一定の期間ごとに集計・報告する必要があり、その会計期間は1年間とされるケースが非常に多いです。その会計期間の始まり(期首)と終わり(期末)がいつになるかは企業によって異なりますが、日本においては暦上において1年間が終わる12月決算、もしくは年度末とされることが多い3月決算の企業が多い傾向にあります。基本的にはこのように1年ごとに決算処理が行われますが、さらにその期間を分割した「月次処理」や「日次処理」などのさらに短い期間の集計を行うこともあります。

日次業務

日次業務は日々の取引を記録する作業がメインになります。まずは伝票入力、いわゆる仕訳を行います。取引で作成した伝票の仕訳を行い、簿記のルールに従って記帳を行います。会計処理はこの伝票入力からスタートしますので非常に重要な業務となります。現預金の入出金や債権債務、小口現金などの管理のほか、資金繰り表の作成・更新なども日次業務に含まれます。

月次業務

会計処理は月初から月末までの1か月間を一区切りとして処理を行い、最終的に1年分を集計するという流れが一般的です。「締め日」は企業によって異なりますが、請求書の発行・送付に加えて支払い請求書の確認や支払処理、月次試算表の作成などを行います。また、前月の業績を確認するための経営管理資料の作成を月次業務としている企業も多くあります。

年次業務

会計期間における期首から期末までの1年間の集計を行うのが年次業務です。基本的には各月の数字を集計することと決算整理仕訳により細かな調整・処理を行うことになりますが、中には棚卸業務や洗い替えの処理など1年に1回・期末だけ行うような業務も存在します。これらの処理を経て決算書・申告書の作成を行うことが年次業務の目的です。

Excelでの財務会計の課題

MicrosoftOfficeのExcelは表計算ソフトであり、その使いやすさから多くの会社で導入されています。関数を組み込むことにより自動で計算するようプログラミングすることが可能ですので、ある程度のフォーマットを作成して社内で共有するという使い方をしている企業も多くあるでしょう。財務会計に関する業務を行うにあたってExcelを活用しているケースもありますが、気を付けておくべき点・課題もありますのでぜひチェックしておいて下さい。

関数やマクロの入力に専門知識が必要で属人的になりがち

前段ではExcelが使いやすいと紹介しましたが、これは簡単な表の作成や単純な計算を行う場合の話です。Excelには数式を入力してプログラミングを行う関数のほか、さらに本格的な自動計算などをプログラミングできるマクロという機能が備わっています。これらを使って複雑かつ高度なプログラミングをくみ上げようとするとある程度の知識が必要になりますので、業務の属人化が発生してしまう可能性があります。入力されている関数やコードを誤って触ってしまうと正常に作動しなくなってしまい、直し方が分からなくなってしまう恐れもあります。実際、複雑な関数やマクロが組まれたExcelを財務会計業務に使っていたものの、担当者が退職してしまったせいでエラー発生時の対応ができず使えなくなってしまった、というような事例も多いのではないでしょうか。

工数がかかるだけでなくミスが起こりやすい

Excelは気軽に使える分、誤って入力してしまうケースが多くあります。通常のシートに関数を入力する場合、入力欄にキーボードで直接入力することで指示通りの計算を行ってくれます。簡単に入力ができるということは少し手が当たっただけで入力されてしまう可能性があるということであり、誤った操作により関数エラーなどが発生するリスクがあります。ある程度時間をかけて組み上げた関数であっても、どこかを誤って消してしまったせいで正常に動かずミスが連発する、なんていうケースもありますので注意が必要です。

ERPの選び方

「脱Excel」を考えるにあたっては、システムについて何で代用するのかをセットで考えなければいけませんが、その悩みを解決するのが「ERP」です。EPRはEnterprise Resources Planningの略語であり、直訳すると「企業資源計画」となります。平たくいうと経営資源を効率的に活用するために行う管理のことであり、そのために必要なシステムを含んだソフト・アプリを「ERPパッケージ」と呼んだりします。ここではERPパッケージの導入に際して押さえておきたい「選び方」をいくつか紹介します。

オンプレミス型かクラウド型

ERPにはインターネット経由でWebにアクセスして使用する「クラウド型」と自社内にサーバーなどを設けて使用する「オンプレミス型」の2通りがあります。自社に適した運用方法がどちらかを検討し、ERP選びを行うようにしましょう。

汎用型か特化型

ERPパッケージにはある程度どの業界でも使える「汎用型」と、特定の業界などに特化した「特化型」があります。特化型はそれぞれの業界など、想定された利用企業において使いやすい機能が備わっていることがありますが、ニッチな業界などでは当てはまらず使いこなせないことがあります。一方の汎用型はある程度どの業界でも使えるよう設計されていますので、ある程度誰でも広く導入できるでしょう。

必要な機能を備えているか

業務上必要な機能が備わっているかどうかは押さえておかなければいけません。追加で機能を足すとなるとカスタマイズの対応となり多くの費用が掛かってしまう可能性があります。必要な機能が備わっているかどうかは導入前に確認しておきましょう。

従業員が使いこなせる?

どれだけ豊富な機能が備わっているERPだとしても、使用する従業員が使いこなせなければ意味がありません。直感的に操作ができるかどうか、UIはなじみやすいものであるかどうかなどを踏まえて選定しましょう。場合によってはデモプレイやお試し期間などの利用も検討してはいかがでしょうか。

サポート体制は充実しているか

どのようなソリューションを使っていたとしても、困るシーンはほぼ確実に発生します。そんな時にしっかりとコミュニケーションを取りながらサポートが受けられるかは重要なポイントです。特に最近では電話対応が基本的に不可なクラウドソリューションもありますので、注意が必要です。

目的の明確化

ERPは導入が目的ではなく、目的のために導入するものです。業務の効率化や管理の強化など、導入する企業ごとに目的は異なるでしょう。その目的をきちんと達成できる機能があるか・使い方ができるかは非常に重要なポイントです。

フォロー体制および納期

ERPは入れてすぐに使いこなせるものではないので、導入時のフォローは非常に重要です。また、財務会計においては日々の会計処理が行われている中で導入・切り替えを行うことになりますので、どのタイミングで利用が開始できるかという納期も非常に重要なポイントになります。

会計ソフトからERPへ移行するメリット

財務会計業務については、経理のシステムである会計ソフトを用いている企業が多くあります。会計ソフトは日々の記帳や試算表作成・決算処理などを行うことができるソリューションですが、会計業務に特化しているため他の業務には対応していません。そんな会計システムからERPへと移行するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

複数業務が一元管理できるようになる

企業の管理活動にはさまざまな業務があり、会計・給与計算・総務・販売管理など多くのシステムを使用することになります。それぞれを個別のシステムで運用するとなると連携できるかどうかが非常に重要なポイントであり、連携できないとなるとアナログにデータ入力などを行う手間が発生してしまいます。ERPを導入するとこれらの管理を一元化することができますので、効率化を図れるだけでなくシステム間での入力エラーや連携ミスなどが発生することがありません。

予算管理しやすくなる

ERPではさまざまな業務で発生するあらゆるデータをまとめて集計することができますので、全体としての業績や状況を客観的に把握することができるようになります。過去のデータを集計することができますので予算作成がしやすくなり、実績との対比による予実管理が容易にできるようになるでしょう。予算管理をリアルタイムで行えるようになると、素早く経営判断を行い次の行動に繋げていけるため、業務の効率化だけでなく収益性の向上も期待できます。

既存の問題点を解決に導く
おすすめのERP財務会計システム

ここでは、既存の問題点を解決に導くおすすめのERP財務会計システムを紹介しています。

「Fit to Standard」の
実現を重視するなら
標準機能だけで自社にフィット!
無償バージョンアップで追加コストを抑える
HUE AC
(ワークスアプリケーションズ)
HUE AC (ワークスアプリケーションズ)
引用元:ワークスアプリケーションズ公式サイト「HUE AC」
https://www.worksap.co.jp/services/financial/
  • オンプレミス
  • クラウド
  • コーポレートライセンス
  • バージョンアップ無償

(対応領域)
財務会計・管理会計
ほかに債権・債務管理、固定資産管理、経費精算、財務・資金管理、購買管理、賃貸不動産管理

「Fit to Standard」を実現したい企業におすすめの理由
  • 標準機能のみで対応可能な圧倒的網羅性(6700超の機能)、アドオン追加なしで幅広い業種・業態、商習慣にフィット
  • 無償で法改正や制度改正、バージョンアップに対応、定額保守費用のみで永続的に使える
  • コーポレートライセンスでユーザー追加の費用がかからない
グループ会社のための
機能を重視するなら
大規模データの蓄積・分析が可能
グループ取引の負荷を軽減
GLOVIA SUMMIT GM
(富士通)
GLOVIA SUMMIT GM(富士通)
引用元:富士通公式サイト「GLOVIA SUMMIT」
https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/services/application-services/enterprise-applications/glovia/glovia-summit/gm/
  • オンプレミス
  • クラウド
  • ユーザーライセンス
  • バージョンアップ無償

(対応領域)
財務会計、資金管理、管理会計、外貨建て取引管理、債務管理、 債権管理、手形管理
ほかに固定資産、リース資産、連結、経営管理など

グループ会社のための機能を重視する企業におすすめの理由
  • 「MDWH」により大量の明細データを蓄積、会計情報、販売/生産/購買等の情報も管理可能
  • 独自技術で明細情報をメモリ上で管理、高速処理を実現、グループ取引を自動生成
  • 連単一体型システムにより決算業務負荷を軽減
グローバル企業のための
機能を重視するなら
Officeシステムとの親和性
グローバルリスクの回避策を備える
Dynamics 365 Finance
(マイクロソフト)
Dynamics 365 Finance(マイクロソフト)
引用元:マイクロソフト公式サイト「Dynamics 365 Finance」
https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/finance/overview/
  • オンプレミス
  • クラウド
  • ユーザーライセンス
  • バージョンアップ無償

(対応領域)
買掛金勘定、売掛金勘定、資産リース、予算作成、現金および銀行管理、原価会計、経費管理、固定資産、Finance Insights(財務分析)、一般会計と財務諸表、プロジェクト管理と会計、公的機関

グローバル企業向けの機能を重視する企業におすすめの理由
  • 51の国や地域と67言語をローカライズ、規制に準拠
  • パートナーソリューションを使用し200超の国や地域で運営が可能
  • ルールに基づいたガイド、グローバル決済の簡素化など海外拠点との齟齬を回避できる対策を用意

【選出した条件について】
このサイトでは、デロイトトーマツ経済研究所の「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望【2023年度版】」(https://mic-r.co.jp/mr/02780/)にて、大手向けに分類されているERPで財務会計分野のある13社。さらに、「ERP 財務会計 大手向け」でGoogle検索(2023年10月20日)、公式サイトがヒットするERPベンダーを加えた23社の製品を紹介しています。
※上記ERPの中から、3つのリプレイスの課題に対応できるERPを紹介。(公式サイトの記述を参照しています)
【Fit to Standardを実現したい企業へ】HUE AC (ワークスアプリケーションズ)…業種・業態、商習慣にフィットする網羅性の高い機能、保守費用の軽減につながる無償での永続的なバージョンアップはHUE ACのみ
【大規模なグループ連携のある企業へ】Biz∫会計(NTTデータ・ビズインテグラル)…実際に対応しているグループ会社数が多い。グループ共同で同一環境を利用可能、各社会計データの自動連携や集約、不一致がある場合の原因把握など、グループ経営を支援する要素が多い
【グロバール対応・海外拠点が多い企業へ 】Dynamics 365 Finance(マイクロソフト)…対応できる国や地域が最も多い。共通のシステム構築やグローバル リスクの回避策など使い勝手もクリア。officeとの親和性。