企業の基幹業務を支えるためのさまざまな機能が搭載されているERP。ここではERP財務会計システムに搭載される標準的な機能について紹介します。システムによってはオプションとなる機能もありますので、自社に必要な機能があるかどうか、システム導入前にしっかりと検討するようにしましょう。
※FB(ファームバンキング):インターネットを使用せず金融機関と法人顧客のコンピュータシステムを専用回線などで直接接続してデータ通信を行うこと。銀行に出向かずに社内から振込や取引口座照会などが可能。利用されるFBデータは共通の全銀協フォーマットで、振込種別、口座名、振込指定日、金額などの情報が含まれる。
ERP財務会計システムの中には、日本の商習慣に合った機能が搭載されているものもあります。例えばワークスアプリケーションズの「HUE AC」では、日本企業の細かな請求条件・支払条件、源泉税への対応、手形・外貨の管理など日本の商習慣特有の要件にも対応可能となっています。調整業務(名寄せ・統合・分割・金額変更など)までカバーしているので、作りこみの支払システムが不要、保守・運用コストが軽減できます。
日本企業でのERP導入は、自社独自の商習慣や業務プロセスに合わせた追加アドオン開発をしていく手法「Fit and Gap(フィットアンドギャップ)」が主流でした。そのため、システムが肥大化し柔軟性に欠けるシステムとなり、DX時代にそぐわないものとなっています。そこで、最近では自社業務内容をERPの標準機能に合わせていく手法「Fit to Standard(フィットトゥスタンダード)」が注目を集めています。
業務内容の全てをERPに合わせるのは難しい場合もあります。また、これまでのやり方を変えることで運用負荷が高くなることもあります。しかし、長期的、将来的な視点で見ると業界における業務プロセスのベストプラクティスなども利用できるなど、メリットの方が大きいといえるでしょう。
業務内容をERPに合わせていく「Fit to Standard」にはさまざまなメリットがありますが、大きなメリットは以下の3つです。
ERPの形式にはオンプレミス型、クラウド型、ハイブリッド型があります。自社にERPシステムを導入する場合には、それぞれの特徴を十分に理解し、より自社に合ったシステムを選ぶようにしましょう。
企業が自社内に必要機器を設置し、自社のIT担当者がERPを運用することをオンプレミス型ERPといいます。導入時にシステムをまとめて購入し、一から構築が必要になるため初期費用はかかりますが、自社インフラなのでカスタマイズ性が高いです。
自社ではなくインターネット上でERPを運用することをクラウド型ERPといいます。買い切りでなく定額制(サブスクリプション・ベース)であることが多く、導入費用を抑えて高い情報管理機能を利用することが可能です。また、保守運用はベンダーが行うので、自社にIT担当者を置く必要がありません。
オンプレミスとクラウドを適材適所で組み合わせて運用することを、ハイブリッド型ERPといいます。例えば外部公開するWebサーバーは拡張性を重視するクラウド、機密性の高い情報を扱う基幹システムはオンプレミスにすることで、コスト削減やビジネス・ニーズへのスピーディな対応が実現できます。
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ここでは、既存の問題点を解決に導くおすすめのERP財務会計システムを紹介しています。

(対応領域)
財務会計・管理会計
ほかに債権・債務管理、固定資産管理、経費精算、財務・資金管理、購買管理、賃貸不動産管理

(対応領域)
財務会計、資金管理、管理会計、外貨建て取引管理、債務管理、
債権管理、手形管理
ほかに固定資産、リース資産、連結、経営管理など

(対応領域)
買掛金勘定、売掛金勘定、資産リース、予算作成、現金および銀行管理、原価会計、経費管理、固定資産、Finance Insights(財務分析)、一般会計と財務諸表、プロジェクト管理と会計、公的機関
【選出した条件について】
このサイトでは、デロイトトーマツ経済研究所の「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望【2023年度版】」(https://mic-r.co.jp/mr/02780/)にて、大手向けに分類されているERPで財務会計分野のある13社。さらに、「ERP 財務会計 大手向け」でGoogle検索(2023年10月20日)、公式サイトがヒットするERPベンダーを加えた23社の製品を紹介しています。
※上記ERPの中から、3つのリプレイスの課題に対応できるERPを紹介。(公式サイトの記述を参照しています)
【Fit to Standardを実現したい企業へ】HUE AC (ワークスアプリケーションズ)…業種・業態、商習慣にフィットする網羅性の高い機能、保守費用の軽減につながる無償での永続的なバージョンアップはHUE ACのみ
【大規模なグループ連携のある企業へ】Biz∫会計(NTTデータ・ビズインテグラル)…実際に対応しているグループ会社数が多い。グループ共同で同一環境を利用可能、各社会計データの自動連携や集約、不一致がある場合の原因把握など、グループ経営を支援する要素が多い
【グロバール対応・海外拠点が多い企業へ 】Dynamics 365 Finance(マイクロソフト)…対応できる国や地域が最も多い。共通のシステム構築やグローバル リスクの回避策など使い勝手もクリア。officeとの親和性。